生きろ、そなたは美しい

新しい職場で完全に人との接し方を忘れてしまったわたしはこころを閉ざし過ごしていたが人生は愛の開国だと思い出し少しだけ打ち解けることが出来ました いつまでも中学生のままひとりで砂漠に立っている訳にはいかない 情けなく恥ずかしい思春期を思い出す…

振り向いたのは

10年間働いた職場を退職した。大好きな二人と出会った。悲しくてたまらない日も職場に行けばみんながいたし、働くことがいつも楽しかった。どんな事も相談できたし、いつもみんなが助けてくれた。みんながいたから乗り越えられたことがたくさんあった。悔し…

夏風邪

咳が止まらない 横になると苦しくて眠れず 思い出すのはちいさな子供だった頃わたしは大人になるまで体が弱く 季節が変わる度に喘息の発作を繰り返した ひいおばあちゃんは布団で寝ている私の隣で手を握りながらお経を唱えてくれたけどそれがとても怖かった…

29

今より先のことはわからない、大切なものはこれからどんどん減っていくね。もうここには戻れない。守りたいものは、自分の湖に浮かんで完結している。 いつでも、雨のように安心な、優しさを持ちたい。

騒がしい教室で

卒業試験合格発表の日、おばあちゃんは泣いて喜んでくれた。恋人はお祝いに焼肉をご馳走してくれた。 国家試験から合格発表までは拍子抜けしたような気持ちで呆気なく終わった。 今日までの3年間、とてもとても長かった。 あっという間だったねと言われても…

でも叶うなら戦うよりも愛し合いたい

恋人の誕生日を祝うのは8回目。恋人の足の裏に顔をぴったりつけるととても幸せな気持ちになる。眠る前に必ず抱きしめてくれることも知っている。とても長い時間を2人で過ごしてきた、本当にたくさんのことがあった、ふたりでいるととても素敵だと心から思う。…

月に吹く風

恋人に出会って8年が経った。初めて目が合った時のことを今でも鮮明に思い出せる。あの日から世界は2人のものになり、わたしは祈りの言葉を覚えた。たくさんの日々、愛することが嬉しくて仕方がなかった。守ってあげたいと思ったのははじめてだった、こんな…

日記

愛してやまない春がきた、まだ少し寒い部屋の布団にくるまって塊になる。恋人は眠っている、いつも。春の風を愛している、春はやさしくて、やわらかくて、少し怖い。 青春時代と呼ばれる日々を共に過ごし、多くを語らずとも同じ気持ちでいることを信じられる…

ミス・リバー

布団の中と外の境目はこんなにもはっきりとして、たった数センチなのにとても不思議。水は冷たくて透明で好き。おはじきを口の中で転がす時の少しの恐怖と楽しさを、冷えた水を飲む時にはよく思いだす。大切な人がみんなそばに居てくれた小さな子供の頃のこ…

猫背のカーブ

名前を呼ぶ声が聞こえて眠っていた目を開けたら視界いっぱいに恋人の顔があって わたしは27歳になっていた むかし、もう二度と大切な人を失わないために大切な人を作らなければ良いと思った日を覚えてる?帰り道には決まって大切な人たちが胸に素晴らしくき…

首すじのうぶ毛は金色の麦畑

占いって大嫌い 他人にわかったようなこと言われるのが嫌だから 同じ場所に帰ってくることそれだけで奇跡だっておもう 同じ軌道に乗っているということ 自分のことは自分で決めたい ちゃんと選んで、選ばれているということは大切なことだと思うから 桜が散…

素敵なひとりぼっち

春の匂いがしている、風はまだ冬の冷たさで私の頬はとても冷たい。苦しくて泣いた日の朝の光はとても眩しい。わたしは全然優しくなんてないから、優しくされたいと思ってもそれはあまりに傲慢で、なんて愚かなことだろう。とてもとても寒い日も1本の線になっ…

睫毛と犬歯

8月5日 隙間から 見える青空8月の まぼろしプリズム 尖った歯 過ぎてゆく夏に手を振る 美しい夕日を今年もたくさん見せてくれた もし明日、秋が来るなら教えて欲しい 秋はやさしくて 私の心はこなこなになって消えてしまう 10年がたったなんて信じられない 1…

伸びた爪と

6月 タツノオトシゴのような歌声が泣きたくなるほど愛しい 丸まって眠る小さな宇宙 3:01 腕をつかまれて目が覚めた朝の4時 目を開けた瞬間広がる桃色の素晴らしい朝焼け 7月 明けない梅雨 恋人と十字路の模様になって過ごす時間がとてもすき わたしはなんだ…

永遠のいのちと私引き換えにひかる鱗をもらったの

26歳。 やさしい雨のような人になりたい、いつか1人になる時にみんなを包み込めるように。

星の尻尾をつかまえて

泣くようなことじゃない とか 悲しむことじゃない とか そうやって自分を励まして 好きな物のことを考えて 悲しみを誤魔化すのが上手くなった そんな風に過ごしていたら わたしだけのものだった星も恐竜も鯨もボイジャーも湖も尻尾も夕暮れの空も祈りの言葉…

小指で巻きとって

春の雨 これが本当の春雨なのだ 風が体に巻き付くようで生暖かい 春の足音がする 音楽が体から零れていく 透けてしまう なにもかも 「今日から自分が変われるかもしれないって思ったのに。もう死んだみたいに生きなくてもいいって思ったのに」 というセリフ…

僕らは麦だよ

ゴッホ展に行く。雨降り、気温9度。チケット売り場に並んでいるとおばあさんに声をかけられる。友人が来れなくなりチケットが余ったので差し上げますとの事、お礼を何度も言い場所がわからないという会場まで共に歩くこと5分。おばあさんは傘を預けていた。…

あの花びらのように

わたしはわたしのために強くなりたい だから1つ目標を立てた くじけそうな時に読み返すために日記にします 今までこれといって頑張ったことはなかった 頑張る人たちを見て羨ましいと思っても行動に移すことはなかった わたしは怖かった 何も出来ない自分を…

足の先が冷たくなってもあなたが

大好きなおじいちゃんとおばあちゃん なのに雨を理由に会いに行くのをやめてしまった おじいちゃんの大きな手とかおばあちゃんの笑った顔とかいつか必ず触れなくなることを思えばこんなに苦しくなるのに お父さんに強く言い過ぎてしまった こういう時いつも…

どこにいたの ここにいるの

エアコンの効いた室内で働くわたしが炎天下で毎日働くお父さんの事を考えるとき心臓の鼓動が早くなる わたしの大切なおとうさん 実家にしばらく帰っていない 大好きなおじいちゃんやおばあちゃんの事を想うと胸がぎゅっと熱くなる 泣き虫の妹や頑張り屋のお…

25

1年なんてあっという間いつも忘れないでいようと思うのに振り返れば浮かぶのは断片的な映像ばかり大切なことは何も覚えていないような気がする 1人でも生きていけるように そう思って生きてきたわたしはもう1人では生きていけない きっと今までもずっとそう…

黄金時代、生と死

恋い焦がれるヘレーネ・クリムトに会いに 大満足大感動圧巻のクリムトでしたオイゲニア・プリマフェージの肖像の鮮やかさを胸に生きていきたい ベートーヴェンフリーズ 幸福を求めて行き着いた先にはこの接吻を全世界にというメッセージ抱き合う男女の背中に…

またしても春、春、

朝の陽を浴びてバスに揺られると人生が少し良いものに思える週5日の労働出来るだけ優しくありたいあなたにもわたしにも 夜桜の下で友達と愛のはなしブルーシートと缶チューハイ家で待つ恋人のことを思えば嬉さで体が少し浮くのだった愛は約束のないところに…

無題

日々が色濃く あまりの密度に息苦しくなる 働くのは体に良いこと いろんなところへ行ってきて いろんな夢を見て そして最後に君のそばで会うのだ。さびしさ丈がいつも新鮮 なのだし 不変の変動を、いつも喜ぶことができるように さわって、つかんで、手放す…

光なき窓

夏に書き溜めた日記は公開することなく屍になった 秋の気配で胸が締め付けられても日々はなにも伝えず過ぎていく 幾度となく思い浮かぶ風景 捨てきれなかったもの どうしても手放せなかったもの 優しさで作られた過去 許されることは愛ですか 大きく手を振っ…

純白の毛並み 濡れた鼻

たった一匹の弟 台風の蒸し暑い夜に静かに眠ってしまった 真剣な眼差しで相談に乗ってくれた 優しく涙を拭ってくれた 甘えん坊で勇敢な弟 美しい体 純白の毛並みが風になびくと素晴らしく綺麗だった ため息をつく時の横顔 呼吸するお腹のふくらみは信じられ…

24

24歳になった 愛は暖かく柔らかで残酷で痛かった 夢は脆くてすぐ消えた ひかりは早くて掴めなかった 星はいつでもここにあったのに目を細めても霞んで見えた どうにもならないときは目をつぶって思い出した あの場面 あの言葉 素晴らしい友人や大切な家族 私…

守ってあげたいとか 優しくしてあげたいとか 傷つけたくないとか 愛されたくない 愛したい そういうの ずっとずっと待っていた言葉を 違う人からもらった もっとあたたかくて やわらかくて なみだがでるようなものだと思ってた 右手はもう光らない 小さな金…

愛、とそれ以外

あまりにも不安定な私を いつも正しい場所へ連れて行ってくれる いつだって忘れてしまうけれど 私はずっと守られていたんだね 私も守ってあげたいよ 2日続いた喧嘩の後 抱き合って眠る 寝つきが悪く何度も眼を覚ます そのたび恋人が私を見つめていた 私の両…