星の尻尾をつかまえて

 

泣くようなことじゃない とか 悲しむことじゃない とか そうやって自分を励まして 好きな物のことを考えて 悲しみを誤魔化すのが上手くなった  そんな風に過ごしていたら わたしだけのものだった星も恐竜も鯨もボイジャーも湖も尻尾も夕暮れの空も祈りの言葉もまっさらな気持ちで信じていたものが悲しみのベールを纏うようになった あなたがくれた言葉もただ今をやり過ごすためだけのものに成り果てた 私は誇り高い最後の恐竜だったのに思い出に支えられて生きていた 人に期待しないとあれほど繰り返してもすぐに忘れてしまうのだ 私たちはみんなひとり 全てが遠く 何も見えない 最後の星が消えるまで夢を見て生きていたかった