純白の毛並み 濡れた鼻

たった一匹の弟 台風の蒸し暑い夜に静かに眠ってしまった 

 


真剣な眼差しで相談に乗ってくれた 優しく涙を拭ってくれた 甘えん坊で勇敢な弟  美しい体 純白の毛並みが風になびくと素晴らしく綺麗だった ため息をつく時の横顔 呼吸するお腹のふくらみは信じられないほど愛おしかった 初めて出逢った日を鮮明に思い出せる あっという間におじいちゃんになってだけどずっと一緒にいてくれるってなぜか信じてた いなくなったりしないって思ってた まだあの優しい声が聞こえる気がする いつか迎えにきてくれたら背中に乗せて匂いを嗅がせて すごくすごく愛していたの