日記


愛してやまない春がきた、まだ少し寒い部屋の布団にくるまって塊になる。恋人は眠っている、いつも。
春の風を愛している、春はやさしくて、やわらかくて、少し怖い。

青春時代と呼ばれる日々を共に過ごし、多くを語らずとも同じ気持ちでいることを信じられる美しい友人。彼女はいつも素敵で、特別だ。駅で抱きあって、たった数ヶ月しか経ってないのに嬉しい気持ちが湧いてくる。帰りたくなくて駅までゆっくり歩いてしまう。

近頃はまた悪夢ばかりを見ている。昔から夢と現実の境目が曖昧になって、朝になっても泣いていた。おはようと言う声が救いだったし、部屋のどこかで鳴っている小さな音が怖かった。でも今は、眠れるまで頭を撫でてくれる人がいて、安心してもいいと信じることが出来る。とてもしあわせだと思う。

大きな地震があった時、連絡をくれる家族がいること。3月に降る雪、外で働くお父さんの安全を祈る時間。美しく勇敢な甥っ子達のことを思えばどこにいても胸が熱くなる。ひどく傷つけ悲しませても、変わらない愛をくれたみんなに私ができることは何かいつまでも分からない。

 

 

ミス・リバー

布団の中と外の境目はこんなにもはっきりとして、たった数センチなのにとても不思議。水は冷たくて透明で好き。おはじきを口の中で転がす時の少しの恐怖と楽しさを、冷えた水を飲む時にはよく思いだす。大切な人がみんなそばに居てくれた小さな子供の頃のこと。風が強い日、自転車で滑走、頬が冷えると気持ちが良い。6時間の労働、2時間の休憩、16時には帰り、学校へ向かう。27歳の学生。夜、小さな部屋で恐竜に似た恋人が待っている。1日の終わりには、何を考えて眠ろうか

猫背のカーブ

 

名前を呼ぶ声が聞こえて眠っていた目を開けたら視界いっぱいに恋人の顔があって わたしは27歳になっていた
むかし、もう二度と大切な人を失わないために大切な人を作らなければ良いと思った日を覚えてる?
帰り道には決まって大切な人たちが胸に素晴らしくきらめいて嬉しくて苦しくて こんなはずじゃなかったのにと思ったりする

人と関わることが怖くて言いたいことも言えずいつも蹲って泣く事しか出来ないけれど

 

期待をしないこと、優しさを躊躇わないこと、美しくいること、誠実に過ごすこと

 

 

 

 

 

首すじのうぶ毛は金色の麦畑


占いって大嫌い 他人にわかったようなこと言われるのが嫌だから 同じ場所に帰ってくることそれだけで奇跡だっておもう 同じ軌道に乗っているということ 自分のことは自分で決めたい ちゃんと選んで、選ばれているということは大切なことだと思うから

桜が散っていても友達は素晴らしかった それが嬉しくてわたしは満開の気持ちになった 小さくて丸い陽だまりのような気持ち  私たちのやり方で大切にしてきたから これからもきっとずっと一緒に過ごしていけると信じることが出来る

恋人と出かける回数はとても少ない 1年を全部足しても10回もないくらいに 休みが全然合わなくて偶然の祝日も恋人の眠りは深いから そんなの全然嫌じゃないけど2人でどこかに出かけるのはとても素敵だった  恋人がくれる思いやりと優しさを見逃さず拾い集めたい


そして、私はもうすぐまたひとつ歳を重ねる

 

 

素敵なひとりぼっち

 

春の匂いがしている、風はまだ冬の冷たさで私の頬はとても冷たい。苦しくて泣いた日の朝の光はとても眩しい。わたしは全然優しくなんてないから、優しくされたいと思ってもそれはあまりに傲慢で、なんて愚かなことだろう。とてもとても寒い日も1本の線になって布団に潜れば暖かい。どんな時にも抱きついたり話しかけたりしていいものだとずっと思っていた私は全部全部間違えていた。左の耳から音がする 眠りにつくのに3時間かかる 私の心臓は指先にあって涙がずっと止まらない 悲しい気持ちに支配されて大事なことは何も見えない 愛しさが湧いて溢れてもじっと堪えるしかない 素敵なひとりぼっち

睫毛と犬歯

8月5日 隙間から 見える青空8月の まぼろしプリズム 尖った歯


過ぎてゆく夏に手を振る 美しい夕日を今年もたくさん見せてくれた もし明日、秋が来るなら教えて欲しい 秋はやさしくて 私の心はこなこなになって消えてしまう


10年がたったなんて信じられない 16歳だった私は26歳になった いなくなってしまった どこに行ったんだろうと今も不思議に思う あれほど近くにいたのに1番好きな花の名前も知らなかった  頬の冷たさを 足の細さを  病室の匂いを 忘れてはいけないんだと今は思う


本当の別れは頬の冷たさだった 指の先から声が聞こえる

 

 

 

伸びた爪と

 

6月 タツノオトシゴのような歌声が泣きたくなるほど愛しい

丸まって眠る小さな宇宙 

3:01

腕をつかまれて目が覚めた朝の4時 目を開けた瞬間広がる桃色の素晴らしい朝焼け

 

7月 明けない梅雨 恋人と十字路の模様になって過ごす時間がとてもすき

わたしはなんだか嬉しくなって鯨の声を真似てみた

 

眠れない夜が続く 窓から見える光 稲妻がとても好き 大雨の日にはお父さんとベランダで2人ずっと見てたこと 

 

わたしはわたしのせかいを絶対に守りたい