愛の記憶

 

部屋に落ちている髪の毛を見逃すまいと雑巾掛けをしていたら 恋人からの誘いを見逃した (11.15)

 

目を開けると朝 美しい鼻 不規則な呼吸 電車に乗り込み 彼の首に腕を回す 恋人といる時の私はシェルターの中だ 怖いものなど無いと知っている

 

悲しい顔 その瞬間自分を呪った 間違っていてたとしても嘘をつけばよかったのだ どんな状況でも傷つけるべきではなかった たった1人のために生きられたらどんな気持ちがするんだろう たった1人で生きていけるなんてどうして思えたんだろう 私たちの愛はどんな形だろう

 

冬の朝 プラットホーム ひかり わたしのたましい ひかり 髪の毛の色 睫毛の影 頬の産毛 美しいものは廃らない (12/2)

 

耳につけたスノードームを指で弾く 自販機のコーヒーが溢れてスカートがシミになる

 

切った髪の毛が身体中にくっついて野獣になった気持ちがした 眠りながら笑うひと 抱きしめられて眠るのが好きなひと 窓から見る朝の光がいつも心を動かす (12/6)

 

待ち合わせ場所に向かう間に雨が雪に変わった 4度目の冬なのにどうしてこんなに素敵な気持ちになるの