目線の先に


3時、強い光、手元の予約帳に小さな虹、何度手にかざしても色移りはしなかった。本を読んだ、美しい言葉、象やバスや甘いお菓子、涙は左目から右目へと流れていく。横を走り抜ける小学生、童謡を歌いながらする散歩は私の定番になっている。高らかな愛、それがわたしの全てでした。‪色とりどりのポピーは寂しげで満開の桜でさえ勇気付けてはくれない。チョコレートの包み紙で作ったハートはすぐ破れたのに口の中で浮ついた甘さがずっと残った。お願いだから気づかないふりをしないで‬