犬歯の角度

 

わたしたちは絶望しながら生きて行くこともできる、それは冬の炭酸飲料のような、朝の廊下のようなもの。悴む指を温める方法をわたしは知っていて、それでも誰かを待っている。愛しあったひとや何度も読んだ本、布団から見た眩しい朝日や緑色の流れ星、拾ったガラス、しおりがわりの大きな紅葉、そういうものを何度も思い出します。あなたが呼吸をしていること、友達がくれたラヴレター、幸せな音楽と美味しいお酒、それらがわたしを生かしてくれます。たくさん髪型を変えました、酷い言葉を吐きました、人に優しくできました、たくさん下を向いたけど、満月の写真を撮りました、愛が何かを模索して、答えにはたどり着けなかった。よい一年だったと言えないけれど、わたしは今日も生きています。