骨抜き


変わり始めた季節の話、同じ季節を生きるということ。短い睫毛はパタパタとまばたきを繰り返すのに、蝶はじっと動かなくなった。手のひらで切るお豆腐には私の知らない愛があって、私の愛は海底の魚の餌になる。遠い名前もない星のこと、触れることの出来ない惑星に思いを馳せるのはなんだか素敵なことに思えた。それでも私は躊躇なく触れることのできる頭蓋骨の方が大切で、いつのまにか呼び慣れた名前を繰り返し声に出しながら生きているよ。