何億光年

 

夢を見ていたの ひかりがいっぱいの とても大きな夢 そのひかりは あこがれ よろこび ぬくもり やさしさ そのなかでわたしは 唯一のかなしみ みんなわたしを弾いて 自由に流れていた ひかりは かなしみがうまれると わたしをつらぬいた そしてひかりは かなしみをわすれた わたしは願っていた 長い間ずっと わたしの悲しみを ひかりに変えてくれる何かを 待っていたの いちばんに輝くひかりは かなしみを知らなかった そのひかりは わたしを貫いて わたしはこなこなになった こなこなになったわたしは 宙に舞って ひとつに纏まり 煌めく ひかりになる もう悲しみはどこにもなく わたしを貫いたひかりが いちばんちかくで輝いている わたしたちは ただ動かず ひかりつづけた まわりでは かすかなひかりが 流れ続けている ふたつのひかりは 引かれ合い やがておおきなひとつのひかりになる