晴れた朝に


夏の夕方の生ぬるさを、冬になると忘れてしまう。蝉が鳴くと雪を踏む音を忘れて、宇宙に花が咲く頃わたしはきっと存在しない。
日曜日、早起きしすぎて手持ち沙汰。昨日破った約束は今日もひたすらに生きていくわたしの強さになるような気がした。部屋を見渡せばお気に入りの洋服が、誰かにもらったお人形、電気の紐に結んだ願い事、暑くて気だるい外の気温から守ってくれる扉は薄く、耳にはイヤホンを突っ込んで大好きなあの曲を聞いている。着信音がなり、飛び込んで来る憂鬱からもう逃げたりはしない。守りたいものはわたしが選んだたったひとつのいきる意味で、夜になれば幸福の果てで寝息をたてることもできるから永遠に枯れない花束をあなたにあげるよ。